雑誌
歴史街道 2011年4月号
今月号の読みどころ
坂本龍馬の師であり、また西郷隆盛との阿吽の呼吸で江戸無血開城を成し遂げたといわれる幕臣・勝海舟。しかし、実際の西郷との交渉はそのような美談ではなく、ぎりぎりの状況下で勝が打った手が奏功した結果でした。幕末から明治にかけて、勝ほど孤独な戦いを続けた男はいません。薩長からは警戒され、幕臣からは徳川を売る奸臣と罵られ、旧主からすら敵に近い者と疑われました。誰ひとり理解者がいない中、しかし勝は自らに課した戦いを断じてやめようとはしませんでした。なぜならそれが、「公」のため、近代国家日本のためと信じたからです。勝のたった一人の戦いが現代人に訴えかけるものは何か、そして、勝が目指した近代日本の姿を探ります。第二特集は「『ばさら!』佐々木道誉」です。
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勝海舟、勝外柔(内剛)、勝鎧袖(一触) |
黒鉄ヒロシ |
3p |
vol.51 この人に会いたい |
藤原紀香 |
7p |
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【総力特集】すべてを敵に回しても… 勝海舟の維新 「公」のために貫いたもの
[総論] 孤立無援の中で、常に「世界の中の日本」を見据えていた男 |
童門冬二 |
14p |
ビジュアル1 「俺がやらねば、誰がやる」運命の会談を前に |
20p |
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ビジュアル2 無血開城実現のために尽くした、あらゆる手立て |
22p |
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「おれが真似をばしないがいい」無頼の父と剣と蘭学に育まれて |
梓澤 要 |
24p |
コラム1 勝を見出したもう一人の先覚者 |
29p |
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世の中の仕組みを変えるべき…海軍伝習と咸臨丸渡米から得たもの |
植松三十里 |
30p |
「幕府はもうダメだよ」海軍建設の夢破れ、雄藩に日本の行く末を託す |
高野 澄 |
36p |
コラム2 命がけの宮島会談を覆されて |
41p |
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ビジュアル3 幕府諸藩連合艦隊、堂々と西上す |
42p |
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「公」か「私」か…大政奉還から鳥羽・伏見の激動の中で |
44p |
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向こうがその気なら…奸雄なる官軍相手に、江戸と将軍家を守り抜く |
永岡慶之助 |
46p |
人生年表 時代の舵取りをした男の七十七年 |
52p |
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日清韓三国合従の策、遣韓論、脱亜論…明治人がアジアに託した思い |
山内昌之 |
54p |
コラム3 「あれは人民の社会だ」勝の清国観 |
59p |
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「行蔵は我に存す」近代国家日本のために、あくまで所信を貫く |
松田十刻 |
60p |
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きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第11回 言問通りをゆく 前編 |
本山賢司 |
74p |
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「ばさら!」佐々木道誉 ―その生き方の美学とは
「ばさら」…それは行き詰まった時代を変革する精神 |
森谷尅久 |
80p |
コラム 戦乱の時代を彩った「ばさら」の系譜 |
85p |
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【前編】 北条、叡山に牙を剥け! 古い殻を打ち破る反骨の人 |
羽生道英 |
86p |
【後編】 京童の度肝を抜いた饗宴! 表裏者が貫いた風流とは |
羽生道英 |
90p |
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重巡インディアナポリスの悲劇 最終回 遅すぎた救出は誰の責任なのか |
吉田一彦 |
94p |
第14回 連載小説 我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記 |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 井上寿一 |
114p |
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第1回 不穏な政情の日本へ 駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人 |
太田尚樹 |
116p |
伝説の軍師は存在したか? 新史料から読み解く山本勘助の謎 |
海老沼真治 |
122p |
「ラーメン」はいかにして国民食となったのか 前編 |
戸田京助 |
127p |
歴史街道クイズ 「戦国検定!」 |
132p |
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歴史街道・ロマンへの扉 鳥居本 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 第9回 大阪府 串カツ |
石田 千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第3回 ブハラからマリーへ |
長澤法隆/写真・文 |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。