雑誌
歴史街道 2012年3月号
今月号の読みどころ
「秀忠め、まだ参らぬか」。美濃赤坂に陣取り、爪をかむ徳川家康。一方、大垣城から赤坂を望む石田三成も苛立ちを隠せません。「丹後も大津も、まだ片付かぬか」。関ケ原前日の慶長5年(1600)9月14日、戦機は熟したものの、東西両軍の主将はいずれも、予定の軍勢が参着しないという誤算に焦れていました。その誤算をもたらしたものこそ、籠城戦です。二カ月前の伏見城を皮切りに、田辺城、小松城、安濃津城、上田城、大津城などで攻防が展開され、足止めされて関ケ原に参加できなかった軍勢は、東西両軍合わせて九万。つまり関ケ原の行方を決したのは、実はこれらの籠城戦だったのです。籠城を決断した男たちの、もう一つの関ケ原を描きます。第二特集は「渋沢栄一と武士道」です。
公式サイト | ![]() |
---|
籠城する兵に告ぐ |
黒鉄ヒロシ |
5p |
この人に会いたい vol.62 |
加藤あい |
9p |
|
【総力特集】 関ケ原「籠城」列伝 天下を左右したもう一つの決断
総論 あの軍勢が関ケ原にあれば…籠城の決断が天下の行方を変えた |
小和田哲男 |
14p |
ビジュアル1 落城寸前…城主の危機を救った安濃津の奇跡 |
20p |
|
ビジュアル2 大乱の幕開け! 伏見城の激闘 |
22p |
|
討死こそ武士の華! 命を高く売った老将の前に大坂方は… ・伏見城 |
高橋直樹 |
24p |
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は… ①西軍の戦略構想と家康の誘降工作 |
工藤章興 |
28p |
「天、見捨て給わず」敵を釘付けにした文人武将、最後の一手 ・田辺城 |
永岡慶之助 |
32p |
難攻不落! 縄張りから関ケ原の「堅城」を読み解く 伏見城・田辺城 |
中井 均 |
36p |
「叩くのは今ぞっ」北陸無双の城と伏兵、前田の大軍を痛撃す ・小松城 |
江宮隆之 |
38p |
コラム1 もう一つの転機…岐阜城陥落 |
43p |
|
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は… ②大谷の智謀、三成の懸念、家康の叱咤 |
工藤章興 |
44p |
男に劣るまじ…絶体絶命の城主、華麗なる若武者に救われて ・安濃津城 |
梓澤 要 |
46p |
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は… ③防衛線の破綻と徳川軍西上 |
工藤章興 |
50p |
難攻不落! 縄張りから関ケ原の「堅城」を読み解く 小松城・安濃津城 |
中井 均 |
52p |
【年表】 同時並行で籠城線が展開! 決戦までのタイムテーブル |
54p |
|
それが一日で終わらなければ…鬼謀の父子が見せた必勝の図式 ・上田城 |
橋場日月 |
56p |
コラム2 西軍の主要武将たち |
61p |
|
難攻不落! 縄張りから関ケ原の「堅城」を読み解く 上田城・大津城 |
中井 均 |
62p |
ほたると嘲られた男の意地が、湖上の城で最強武将を跳ね返す 大津城 |
秋月達郎 |
64p |
コラム3 東軍の主要武将たち |
69p |
|
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は… ④なぜ西軍は転進し、東軍は追ったのか |
工藤章興 |
70p |
|
||
きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第22回 高円寺界隈 |
本山賢司 |
74p |
|
【特集】渋沢栄一と武士道 「士魂商才」の志を持て
世のために尽くす…「論語と算盤」の根本にある精神 |
童門冬二 |
78p |
八面六臂の活躍をした92年の軌跡 |
83p |
|
ビジュアル 「士魂商才」の志を育み、伝えて |
84p |
|
今や武士道とは実業道…真の「強民富国」を目指して |
鹿島 茂 |
86p |
会社とは公器…適材適所を徹底し、資本主義を育む |
鹿島 茂 |
90p |
|
||
仮装巡洋艦アトランティス 第3回 オートメドンとの邂逅 |
吉田一彦 |
95p |
[連載小説]真田昌幸 連戦記 第25回 我、六道を懼れず |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
|
BOOKS・CINEMA |
112p |
|
この著者に注目! 浅見雅男 |
114p |
|
駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人 第12回 日本国民の誠意と「隔離政策」 |
太田尚樹 |
116p |
「大和なでしこ」のファッション史 |
朝日 真 |
124p |
江戸の大名庭園に梅を観に行こう |
130p |
|
歴史街道クイズ 「戦国検定!」 |
132p |
|
歴史街道・ロマンへの扉 大津・三井寺 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 第20回 鹿児島県 さつま揚げ |
石田 千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第14回 トラブゾンからスングルルへ |
長澤法隆(写真・文) |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。