雑誌
歴史街道 2017年1月号
今月号の読みどころ
敗戦後、GHQや戦勝国の管理下に置かれ、打ちひしがれていた日本人に、希望の光を灯したのが、昭和28年(1953)の「日章丸事件」でした。出光興産の出光佐三が、世界の石油業界を牛耳るメジャーに単独で戦いを挑み、イギリス艦隊が展開するペルシャ湾に自前のタンカーを派遣して、イギリスの圧力に屈せず、イランの石油を堂々と日本に持ち帰ってのけたのです。世界を驚嘆させた壮挙について佐三は「出光ではない、日本人がやったのだ」と語りました。時に「海賊」と呼ばれながらも「士魂商才」を貫き、自社の利益よりも「日本のため」になることを重んじて、日本人に「俺たちもまだ戦える」と活力を与えた佐三の半生を描きます。第二特集は「夏の陣! 真田信繁、幻の勝利」です。
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覚悟の前 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.120 |
生田絵梨花(乃木坂46) |
7p |
総力特集 世界に挑んだ海賊 出光佐三 日本人の「矜持」と「底力」
総論 俺たちもやれる! 「士魂商才」を貫き、日本人を奮い立たせた男の決断 |
水木 楊 |
16p |
いっちょやったろうか! 映画「海賊とよばれた男」で伝えたかったこと |
山崎 貴 |
22p |
「士魂商才」を貫いて・出光佐三人生年表 |
27p |
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佐三の心を奮い立たせた、ユーモラスな仙厓の世界 |
28p |
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「士魂商才を持て!」師の教えと恩人の後押しで独立、そして海賊現わる |
江宮隆之 |
30p |
コラム1 芯の強い母、正念場を支えた弟 |
35p |
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廉価で高品質の油を! 満洲、さらに上海で市場を独占する外油に挑む |
山之口洋 |
36p |
コラム2 倒産の危機に、なぜ銀行は融資を決めたのか |
41p |
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親友への弔辞、二メートルを超す手紙… 人間・出光佐三 |
42p |
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軍部相手でも「志」と「信念」は曲げず! そして一社での南方配給へ |
岩瀬 昇 |
44p |
「タンク底をさらえ!」全てを失っても馘首せず、あらゆる妨害に屈せず |
四條たか子 |
48p |
コラム3 「タンクの底さらい」が語る佐三と社員の絆 |
53p |
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「アバダン港へ!」血涙下る決断と日章丸がイランから持ち帰ったもの |
将口泰浩 |
54p |
島国根性じゃいかん! 豪快な「海の男」だった伯父・新田船長の思い出 |
山本 學 |
60p |
これが日本人の底力! アメリカが驚愕した製油所建設で「第二の創業」へ |
橘川武郎 |
62p |
「海賊」と呼ばれた舞台、青春時代の門司を訪ねて |
66p |
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AKB48と学ぶ! 四十七都道府県 この偉人を知っている? 第6回 中国・四国〈中編〉 |
河合敦×太田奈緒 |
70p |
夏の陣! 真田信繁、幻の勝利 新発見史料が示す恐るべき計略
城郭化された巨大古墳が語る大敵を叩く絶妙の策 |
千田嘉博 |
78p |
コラム 「一日先のことすらわからない」…信繁が弱気な手紙に込めた真の狙い |
83p |
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最後まで現場で奮闘し、輝いていた幸村を演じて |
堺 雅人 |
84p |
茶臼山、岡山、そして…決戦は野戦ではなかった |
千田嘉博 |
88p |
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ヨーロッパ大空襲 「無差別戦略爆撃」の真実 第4回 報復合戦から絨毯爆撃へ |
吉田一彦 |
94p |
連載小説 果てなき図面 帝国ホテル建築物語 第1回 出会いの章 |
植松三十里 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 中島三千恒 |
114p |
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世界で出会った「日本人の魂」~取材紀行から~ 第5回 トルコ・シリア |
早坂 隆 |
116p |
博識にしておふざけの天才 南畝、狂歌を流行らせる |
小林ふみ子 |
120p |
嗚呼! あこがれのモダンガール 女性たちが目覚めた時代 |
生田 誠 |
126p |
歴史街道脇本陣 |
131p |
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歴史街道・ロマンへの扉 彦根・玄宮園 |
林宏 樹 |
134p |
トキワ荘ご用達の「ラーメンライス」を食べる |
136p |
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安芸折々 最終回 私のひろしま |
写真・文 松尾 純 |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。