歴史街道
発売日
2020年7月6日
税込価格
790円
(本体価格718円)
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歴史街道 2020年8月号

今月号の読みどころ

今月の特集1は、「未曾有の危機」に立ち向かった日本人です。

地震、火災、飢饉、経済危機、そして戦争……有史以来、日本は幾多の困難に見舞われながらも、何とか乗り越えてきました。
古代では白村江の戦いにおける敗戦、中世では元寇、近世では明暦の大火、天明の大飢饉、ペリー来航。そして近代現代においては、世界恐慌と太平洋戦争の敗戦などがありました。
そうした「未曾有の危機」において、時の指導者や最前線にあった人々は、いかに対応したのでしょうか。
新型コロナウイルスという未知の危機に直面した今こそ振り返りたい、先人の苦闘を描く特集といたします。

特集2は、感染症の撲滅に命をかけた男たちです。
これまで日本は、何度も感染症の脅威にさらされてきました。
しかしその一方で、感染症で苦しむ人を一人でも多く救うため、病気の蔓延をなんとしても防ぐため、そしてこれ以上、尊い命を失わないため、生涯を通じて感染症の撲滅に心血を注いだ日本人がいました。
天然痘、梅毒、チフス――これらの感染症と闘い続けた男たちを紹介します。

特別企画は、「細川藤孝・天下を見極める力」です。
明智光秀の盟友として知られる細川藤孝(幽斎)。
足利将軍に仕えた藤孝はその後、織田信長に従い、本能寺の変の際は光秀に頼られるも拒絶し、秀吉の下で生き残りました。
さらには、天下分け目の関ケ原でも、難しい立場に置かれながら、的確な判断を下していきます。
文武両道の男・細川藤孝が、なぜ戦国乱世を生き抜くことができたのかに迫ります。

公式サイト
今月号の目次
国々の持つリトマス試験紙
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.163
朝比奈彩
7p
特集1 「未曾有の危機」に立ち向かった日本人
【序論】
これだけは押さえておきたい「危機」の日本通史
河合 敦
14p
白村江の大敗、唐の侵攻の危機にどう対処したか◎天智天皇
森 公章
22p
【文永・弘安の役】
集団戦法、新兵器…元の大軍に対し、鎌倉武士はかく戦った
岩井三四二
28p
大火、飢饉、外圧と闘った幕閣◎保科正之・松平定信・阿部正弘
岡田 晃
34p
【富士山宝永大噴火】
積砂、洪水、上役の横領――被災地に寄り添った奉行の苦闘
嶋津義忠
42p
【昭和の二度の恐慌】
“老骨に鞭を打つ覚悟”で挑んだ蔵相・高橋是清
松田十刻
49p
敗戦による食糧難、経済危機、そして独立へ◎吉田茂
井上寿一
56p
何時いかなるときも発揮されてきた「日本人の心」
童門冬二
62p
特集2 感染症撲滅に命をかけた男たち
天然痘×笠原良策 
それでも、「種痘」を広めるために…
植松三十里
118p
梅毒×秦佐八郎 
気が遠くなるほどの実験で「世界初の化学薬品」を
長尾 剛
122p
チフス×肥沼信次 
敗戦後のドイツで奇蹟を起こした「知られざる医師」
秋月逹郎
126p
特別企画 明智光秀の盟友はその後… 細川藤孝・天下を見極める力
“文武両道”の男は、かくして戦国乱世を生き抜いた
渡邊大門
84p
本能寺で信長死す──そして、友との決別の時
谷津矢車
92p
連載・読み物
世界初のグローバル企業「東インド会社」の光と影
宇山卓栄
66p
アマビエだけじゃない!? 日本全国“人間を助けてくれる”妖怪図鑑
奈落一騎
72p
米軍に「恐るべき機体」と評された“空飛ぶ巡洋艦”二式大艇
吉野泰貴
77p
連載小説 月と日の后
第28回 初花の章
冲方 丁
98p
「歴史街道」伝言板

104p
BOOKS・CINEMA

106p
この著者に注目!
小川雄

108p
連作読切小説 戦国武将×四十七都道府県
第12回 豊臣秀吉×大阪府「土を知る天下人」
今村翔吾
110p
開戦から八十年――「名言」で読み解く太平洋戦争
第1回 開戦前夜、日本人は何を思ったのか
半藤一利
130p
ふるさとの先人×SDGs~嚶鳴だより
第4回 佐藤一斎と生涯学習のまちづくり

138p
年間購読のご案内

141p
次号予告!

142p
歴史街道脇本陣

143p
歴史とともに味わう 世界の城
第1回 ヴァルトブルク城
島崎 晋
146p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。