雑誌
Voice 2014年5月号
今月号の読みどころ
ロシアによるクリミア併合は、もう決着したのだろうか。NATOが東欧の同盟諸国に対して、防衛協力を強化したり、西側諸国の制裁もちらほら聞こえるが、どうも腰が引けている。今月号の総力特集は、「ウクライナ危機後」の世界を睨んで、「中露の暴走を止めよ」。中西輝政氏は「ついに世界秩序の本格的な大変動が始まった」とし、歴史の必然として「多極化」しつつあると説く。日高義樹氏は、オバマ大統領の事なかれ外交がプーチン大統領のクリミアへの侵略を招いたとし、ヒットラーの台頭を許したウィルソン大統領と比較してみせた。佐藤正久氏は「中国がロシアのクリミア併合を範として、尖閣諸島に漁民を送り込み、自国民保護を理由に占領を始める恐れがある」と警鐘を鳴らす。また、日本が問題にすべきは、サービス貿易協定がもとで台湾が中国に呑み込まれるのではないか、ということだ。矢板明夫氏は、「ロシアがクリミアを併合するよりも簡単に台湾が中国に吸収されてしまう」と、台湾の大学教授の談話を紹介した。渡部昇一氏と呉善花氏の対談では、いずれ中国は韓国を味方に置きつつ、北朝鮮を編入するのではないかと読む。拡張主義を貫く中露は、クリミア併合に対する国際社会の反応を見ながら虎視眈々と次の一手を考えている。
第二特集は「論争・安倍景気の行方」。「新・アベノミクス」を説く若田部昌澄氏は、「デフレ脱却」「構造改革」「所得再分配」などのキーワードを挙げ、「国としての誇り」を取り戻すために経済成長の必要性を強調する。また、内閣官房参与の藤井聡氏は、「財政政策の効果は小さい」というエコノミストに対して名指しで論争をしかける。一方で、企業経営の現場を知り尽くした野中郁次郎氏と旭岡叡峻氏は、対談で日本の産業界のイノベーションと未来について徹底討論した。
自民党の野田聖子総務会長と高市早苗政調会長に、篠原文也氏が斬り込んだ座談会も議論が白熱した。党三役のうちの二役が、女性活用から集団的自衛権、靖国参拝までを意見交換した。
歴史マンガ『テルマエ・ロマエ』でブレイクしたヤマザキマリさんは、「超変人」が認められて生きたローマへの愛情を語る。「若い女がいいという男は、自分はバカだといっているようなもの」「人間は狂っていて当たり前」・・・・・・、日本人への刺激的なメッセージに思わず笑ってしまう。ぜひ、ご一読を。
第二特集は「論争・安倍景気の行方」。「新・アベノミクス」を説く若田部昌澄氏は、「デフレ脱却」「構造改革」「所得再分配」などのキーワードを挙げ、「国としての誇り」を取り戻すために経済成長の必要性を強調する。また、内閣官房参与の藤井聡氏は、「財政政策の効果は小さい」というエコノミストに対して名指しで論争をしかける。一方で、企業経営の現場を知り尽くした野中郁次郎氏と旭岡叡峻氏は、対談で日本の産業界のイノベーションと未来について徹底討論した。
自民党の野田聖子総務会長と高市早苗政調会長に、篠原文也氏が斬り込んだ座談会も議論が白熱した。党三役のうちの二役が、女性活用から集団的自衛権、靖国参拝までを意見交換した。
歴史マンガ『テルマエ・ロマエ』でブレイクしたヤマザキマリさんは、「超変人」が認められて生きたローマへの愛情を語る。「若い女がいいという男は、自分はバカだといっているようなもの」「人間は狂っていて当たり前」・・・・・・、日本人への刺激的なメッセージに思わず笑ってしまう。ぜひ、ご一読を。
公式サイト |
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今月号の目次
総力特集:クリミアの次は尖閣 中露の暴走を止めよ
「反日」オバマと習近平に感謝する |
中西輝政 |
36p |
[特別対談] 慰安婦攻撃の背後に中国あり |
渡部昇一×呉 善花 |
50p |
集団的自衛権の行使容認を急げ |
佐藤正久 |
62p |
ウクライナに見る危うい外交ゲーム |
渡邊啓貴 |
70p |
中台統一を狙うサービス貿易協定 |
矢板明夫 |
80p |
オバマの敗北、プーチンの勝利 |
日高義樹 |
88p |
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巻頭インタビュー ローマに学ぶ成熟国家への道 |
ヤマザキマリ |
18p |
特集:論争・安倍景気の行方
景気復活に不可欠な「新・アベノミクス」 |
若田部昌澄 |
96p |
ついに暴かれたエコノミストの「虚偽」 |
藤井 聡 |
106p |
[対談] 「知識産業革命」は起きるのか |
野中郁次郎×旭岡叡峻 |
114p |
|
||
「右寄り」で何が悪い!? |
屋山太郎 |
137p |
バイリンガル&エリート教育の勘違い |
木村盛世 |
146p |
中韓の「対日包囲網」には冷静に対処せよ |
山田 順 |
154p |
|
||
震災対策・インフラを結ぶ「絆」 |
夏目幸明 |
190p |
[特別鼎談] 女性が支える政権の中味 |
野田聖子×高市早苗×篠原文也 |
124p |
新世代の流儀 「死刑の是非論より、現場で何が起きているかを知りたいんです」 |
堀川惠子 |
184p |
ニッポン新潮流〈国内政治〉 内閣支持率低下を招くものは何か |
菅原 琢 |
28p |
ニッポン新潮流〈経済政策〉 賃金上昇「まだら模様」の意味 |
飯田泰之 |
30p |
ニッポン新潮流〈生活社会〉 『アンネの日記』、お読みですよね? |
山形浩生 |
32p |
ニッポン新潮流〈科学医療〉 当事者意識なきSTAP論文の共著者たち |
最相葉月 |
34p |
テロリスト・安重根〈第3回〉 成長 |
早坂 隆 |
164p |
乙武洋匡、世界の大使に会いに行く〈第3回〉 ジャマイカ選手、圧倒的強さの理由 |
乙武洋匡 |
198p |
武士の碑〈第8回〉 開戦 |
伊東 潤 |
206p |
巻頭言〈5〉 佐村河内騒動とSTAP細胞騒動は似ている |
小浜逸郎 |
15p |
オックスフォード留学記〈終〉 人生でいちばん緊張した日 |
彬子女王 |
222p |
覚醒するクラシック〈第11回〉 葬送 |
百田尚樹 |
229p |
私日記〈第173回〉 庶民の上流階級 |
曽野綾子 |
234p |
平成始末〈第53回〉 浅田真央の残像 |
山折哲雄 |
246p |
友アートを訪ねて〈16〉 [棟方志功] |
原田マハ |
6p |
「凛たる女性」〈41〉 [中村格子] |
撮影/遠藤 宏 |
9p |
|
||
Keyフレーズ 時代を斬る!論点 |
1p |
|
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
243p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。