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Voice 2022年10月号
今月号の読みどころ
特集1は「失われた日本の道徳」。現在の日本社会のさまざまな問題は、大きな視点で語るならば道徳や倫理の衰退が共通していないだろうか。無法地帯と化すSNSの氾濫は最たる例だが、旧統一教会の問題で揺れている政界にしても政治家が拠るべき規範を見失っているともいえる。いつしか西洋流の個人主義が履き違えられて社会を覆い尽くし、企業も新自由主義に走って本来の日本的経営を見失っている。「利他」という言葉が見直されたように、他者との関わり方をどう考え直すかという点では、コロナ禍以降に生き方や働き方が変わるいまこそ向き合うべきテーマではないか。兼原信克氏と松井孝治氏は政治、シェリー・ケーガン氏は哲学など、各識者がそれぞれの専門から道徳と日本社会について論じる。特集2は「いま、子どもは幸せか?」。わが国の未来を担う子どもたちが現在抱えている課題や、教育現場の実情を紐解く。巻頭対談では緊張高まる東アジア情勢と日中国交正常化50年の意味について、岡本隆司氏と野嶋剛氏が議論。『映画を早送りで観る人たち』が話題の稲田豊史氏と與那覇潤氏の初対談も必読の内容だ。
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今月号の目次
特集1:失われた日本の道徳
政治は「痛み分けの精神」に立ち返れ |
兼原信克&松井孝治 |
42p |
人類よ、哲学的な問いを自問せよ |
シェリー・ケーガン |
52p |
履き違えられた西洋流の個人主義 |
片山杜秀 |
60p |
二宮尊徳が重んじた利他と共感 |
並松信久 |
68p |
日本社会を支配する「見えない宗教」 |
岡本亮輔 |
76p |
民主主義の再建に求められる道徳教育 |
古川雄嗣 |
84p |
ネット空間を主戦場にする詭弁家 |
ベンジャミン・クリッツァー |
92p |
「新しい資本主義」で甦る日本型経営 |
田坂広志 |
100p |
特集2:いま、子どもは幸せか?
叱った先に子どもの幸福はない |
工藤勇一&村中直人 |
138p |
「こども家庭庁」は親子を救うか |
柴田 悠 |
148p |
理不尽を生む学校の「全体主義」 |
内藤朝雄 |
156p |
連載 ほか
特別対談 映画も人生も「早送り」する若者の未来 |
稲田豊史&與那覇潤 |
128p |
日本の自国防衛が台湾有事を抑止する |
門間理良 |
110p |
人の繋がりが日米関係の未来をつくる |
グレン・s・フクシマ |
120p |
特別インタビュー 人類史上初のドローン戦争が意味するもの |
部谷直亮 |
206p |
陰影を愛でる日本的美の価値 |
奈良祐希 |
214p |
巻頭対談 「日中友好」の五十年に意味はあったか |
岡本隆司&野嶋 剛 |
18p |
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地政学的要衝研究会〈9〉 核問題、日本が取るべき選択肢 |
尾上定正 |
164p |
コロナ下の夜の街〈8〉 別府の盛り場を支える「ちはら三代」 |
谷口功一 |
184p |
天才の光と影〈8〉―異端のノーベル賞受賞者たち― アルベルト・アインシュタイン |
高橋昌一郎 |
192p |
言葉のリハビリテーション〈16〉 第三の存在へ |
森田真生 |
200p |
リーダーになるための映画〈3〉 感情を揺さぶり、行動させる力 |
伊藤弘了 |
220p |
首長の力量 台湾の前に尖閣が狙われる |
中山義隆 |
228p |
著者に聞く 日本再興は西田哲学にあり |
小坂国継 |
232p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 カリフォルニア州の地殻変動 |
渡辺惣樹 |
30p |
ニッポン新潮流〈政治外交〉 なぜテロは人を惹きつけるのか |
三浦瑠麗 |
32p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 業界慣例が「論壇の死」を早める |
西田亮介 |
34p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 地方再生と芸術 |
藤村龍至 |
36p |
地域から日本を動かす〈6〉 経験と知恵でコロナを乗り切る |
結城豊弘 |
38p |
令和の人文アニメ批評〈2〉 『バズ・ライトイヤー』 |
渡邉大輔 |
236p |
歴史家の書棚〈28〉 瀧井一博『大久保利通』 |
奈良岡聰智 |
240p |
巻頭言〈22〉 文化進化が生物進化を促すとき |
長谷川眞理子 |
15p |
文明之虚説〈58〉 畏友・上田研二氏 |
渡辺利夫 |
246p |
今そこにある近代〈24〉 東武鉄道南宇都宮駅 |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈22〉 「人類の揺籠」に暮らす遊牧民族 |
写真・文/佐藤健寿 |
8p |
令和の撫子〈41〉 Hazuki |
撮影/川島伸一 |
11p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
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Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
243p |
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Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。