雑誌
Voice 2023年7月号
今月号の読みどころ
半導体はもはや、石油以上の戦略物資である。
先端半導体をつくる能力は、軍事的優位性にも直結し、製造能力をめぐる問題は国際政治上の問題に置き換えられる。
昨年秋に米国が中国への半導体輸出規制の強化を発表したのも、経済安全保障上の重要性が高まっているからだ。
しかし、かつて世界シェアで50%を誇っていた日本の半導体産業は、いまでは米国や台湾、韓国の後塵を拝するなど厳しい状況に追い込まれている。
本特集では、著書『半導体戦争』が世界的なベストセラーになったクリス・ミラー氏や、先端半導体の国産化をめざすRapidusの会長を務める東哲郎氏などの独占インタビューのほか、米中や台湾を中心に繰り広げられる半導体競争の最前線や、日本の構造的な課題やサプライチェーン・リスクに迫りつつ、半導体をめぐる覇権競争との向き合い方を探る。
特集2は「暴力とリベラルの罠」。
安倍晋三元首相が凶弾に斃れてからまもなく1年が経ついま、社会に蔓延る暴力を前に、日本のリベラルがはまっている陥穽を考える。
巻頭では、日本銀行前副総裁の若田部昌澄氏と、新著『日本の水商売』が話題を呼ぶ谷口功一氏が対談。
そのほか、小泉悠氏と與那覇潤氏の対談や、小説家の冲方丁氏へのインタビュー記事なども必読だ。
先端半導体をつくる能力は、軍事的優位性にも直結し、製造能力をめぐる問題は国際政治上の問題に置き換えられる。
昨年秋に米国が中国への半導体輸出規制の強化を発表したのも、経済安全保障上の重要性が高まっているからだ。
しかし、かつて世界シェアで50%を誇っていた日本の半導体産業は、いまでは米国や台湾、韓国の後塵を拝するなど厳しい状況に追い込まれている。
本特集では、著書『半導体戦争』が世界的なベストセラーになったクリス・ミラー氏や、先端半導体の国産化をめざすRapidusの会長を務める東哲郎氏などの独占インタビューのほか、米中や台湾を中心に繰り広げられる半導体競争の最前線や、日本の構造的な課題やサプライチェーン・リスクに迫りつつ、半導体をめぐる覇権競争との向き合い方を探る。
特集2は「暴力とリベラルの罠」。
安倍晋三元首相が凶弾に斃れてからまもなく1年が経ついま、社会に蔓延る暴力を前に、日本のリベラルがはまっている陥穽を考える。
巻頭では、日本銀行前副総裁の若田部昌澄氏と、新著『日本の水商売』が話題を呼ぶ谷口功一氏が対談。
そのほか、小泉悠氏と與那覇潤氏の対談や、小説家の冲方丁氏へのインタビュー記事なども必読だ。
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今月号の目次
特集1:半導体戦争の最前線
これから起きる本当のインパクト |
クリス・ミラー |
38p |
再起した「日本半導体」の勝算 |
東 哲郎 |
48p |
「棚ぼたの成長」に甘んじた日本 |
益 一哉 |
58p |
地経学の問題としての半導体 |
鈴木一人 |
66p |
心臓を貫かれた中国とAIブーム |
高口康太 |
74p |
「賭け」に勝った台湾の半世紀 |
野嶋 剛 |
82p |
サプライチェーンリスクに備えよ |
塩野 誠 |
90p |
世界トップシェア企業が見据える変化 |
廣江敏朗 |
98p |
特集2:暴力とリベラルの罠
テロリズムの正義とリベラリズムの自死 |
福田 充 |
130p |
「暴君放伐」とリベラルの二つの道 |
河野有理 |
138p |
安倍元首相襲撃事件は世論を変えたか |
秦 正樹 |
146p |
リベラル化する社会で「絶望」は生まれる |
橘 玲 |
153p |
連載ほか
今も続くロシアの「いちばん長い日」 |
小泉 悠&與那覇 潤 |
108p |
物語も現実も「日本主義」 |
冲方 丁 |
122p |
米国株のピークアウトと日本株の復活 |
中山大輔 |
212p |
令和の事業家 フードテックが健康格差をなくす |
橋本 舜 |
226p |
巻頭対談 保守とは「夜の街」を守ること |
若田部昌澄&谷口功一 |
16p |
地政学的要衝研究会〈終〉 超大国アメリカの動揺と覚悟 |
吉田正紀 |
182p |
近代日本暗殺史〈4〉 【大正(後編)】原敬暗殺事件(上) |
筒井清忠 |
160p |
大人の国語力が危ない〈3〉 解像度の高い社会に疲れる若者たち |
石井光太 |
194p |
考えさせたい大人、答えが欲しい若者〈5〉 ゆるブラックを避ける若者の深層心理 |
金間大介 |
202p |
本音の目的を隠す喫煙規制 |
井上達夫 |
218p |
著者に聞く 『ドラクエ』が描く家族の価値 |
藤田直哉 |
230p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 伊豆半島は古代史の宝庫 |
渡辺惣樹 |
28p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 被選挙権年齢の合理性 |
西田亮介 |
30p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 政治の舞台としての建築 |
藤村龍至 |
32p |
地域から日本を動かす〈15〉 新しい飛行機で空港再生を狙え |
結城豊弘 |
34p |
令和の人文アニメ批評〈11〉 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』 |
渡邉大輔 |
234p |
歴史家の書棚〈36〉 金澤裕之『幕府海軍』、大久保健晴『福沢諭吉』 |
奈良岡聰智 |
238p |
巻頭言〈31〉 サイエンスとアート |
長谷川眞理子 |
13p |
文明之虚説〈67〉 アルコールと読書 |
渡辺利夫 |
244p |
今そこにある近代〈33〉 丸山タンク |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈31〉 未来の「破滅」に備えた北極圏の貯蔵庫 |
写真・文/佐藤健寿 |
6p |
令和の撫子〈50〉 川名 桂 |
撮影/吉田和本 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
240p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
241p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
242p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。