PHP研究所主催 2025年度文部科学省後援
第9回PHP作文甲子園 優秀賞受賞作
グエン ヴー アイン クアン
岡山県岡山学芸館高等学校2年
私は日本に来て、今でも忘れられない出会いがあります。それは、日本語の先生との出会いです。あのときのことを思い出すと、先生のやさしい笑顔と励ましの言葉が、私を大きく支えてくれたことがわかります。
初めて日本に来たとき、私はとても不安でした。空港を出たときから、周りの人の言葉がほとんどわからず、電車の切符を買うことさえ難しく感じました。買い物をするときも、何と言えばいいのかわからず、ただうなずくだけで精一杯でした。
日本語のクラスに入学して、教室のドアを開けるとき、とても緊張しました。心臓がドキドキして、手が少しふるえていました。すると、教室の前に立っていた先生が、明るい笑顔で「おはようございます」と言ってくれました。そのやさしい声を聞いた瞬間、少し安心しました。「日本での生活も大丈夫かもしれない」と思えたのは、そのときが初めてでした。
授業が始まると、先生はゆっくりとした日本語で、教科書だけでなく、絵や身ぶり手ぶりも使って、わかりやすく説明してくれました。
ある日、私は授業で発音を何度も間違えてしまいました。とてもはずかしくて、顔が赤くなりました。下を向いている私に、先生は「間違えるからこそ、上手になります」と言ってくれました。その言葉で胸があたたかくなり、涙が出そうになりました。外国で一人でがんばっていた私にとって、大きな力になりました。「間違えても大丈夫なんだ」と思えるようになり、それまでよりも日本語を話せるようになりました。
今、私は日本での生活にも慣れてきました。でも、もし最初にあの先生と出会っていなかったら、きっとここまでがんばれなかったと思います。先生の笑顔や励ましの言葉があったからこそ、前向きに勉強を続けることができたのです。これからももっと日本語を勉強して、日本と自分の国のかけ橋になりたいです。その夢のスタートは、先生との出会いでした。私は一生この出会いを忘れません。

