鬼作左
発売日
2001年11月07日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-61929-3

鬼作左
組織を育てる“頑固者”の研究

著者 童門冬二著 《作家》
主な著作 上杉鷹山の経営学』(PHP研究所)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 ひたすら主君のために尽くし、三河武士の鑑と褒めたたえられた作左衛門。組織をまとめ、家康を天下人にした補佐役の生き様に学ぶ。



 「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」の日本一短い手紙で知られる戦国武将・本多作左衛門。徳川家という組織社会の中で、「いつも主君の立場に立ち、主君にとって一番いいと思うことをやり抜く」という信念を頑なに守り続け、幕府の礎を築くのに貢献した“頑固者”作左衛門の生き方から私たちは何を学ぶのか。

 作左衛門が生きた末期は、武士が戦国精神の牙を抜かれ、「ききわけのいい武士」に意識を変えられた時代であった。口のうまい、ソロバン勘定の達者な新しい武士が肩で風切って歩く。それが作左衛門には我慢できない。作左衛門の考える忠誠心とは、「主人が悪いときは命がけで諌める」というものだ。「主人が悪くてもだまって従え」などという規範には抵抗する。そのため次第に主人の徳川家康に冷遇され、不遇に死ぬ。

 本書は、家康のためにあえて“汚れ役”に徹し、左遷されながらも信念を貫いた男・本多作左衛門の生き様を描く一冊である。