新版「生体解剖」事件
発売日
2005年08月05日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-64467-7

新版「生体解剖」事件
B29飛行士、医学実験の真相

著者 上坂冬子著 《ノンフィクション作家》
主な著作 巣鴨プリズン13号鉄扉』(PHP研究所)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 戦後の軍事裁判で明らかにされた九州大学医学部による「生体解剖事件」。その真相に迫った名著『生体解剖』に加筆した新版。



 昭和20年5月、九州上空にて、海軍戦闘機「紫電改」の体当たりによって墜落したB29爆撃機の飛行士12名。彼らは大きなケガを負うこともなく、捕虜になった。しかし、戦局の悪化と度重なる空襲により、捕虜の処遇に困っていた西部軍司令部は、九州大学医学部OBの軍医に処置を一任する。

 やがて、飛行士たちのうち8名が九大の解剖室に運ばれ、「肺摘出」「心臓摘出」「脳の切開」といった医学実験の犠牲となった。しかも、生きたまま麻酔を打たれ、輸血に代わる「海水注射」も打たれながら……。

 人間の命を救う立場にある医者が、なぜ凄惨な行為を行ったのか。責任は軍部にあるのか、医者にあるのか。

 原爆で死んだことに偽装した事件が、なぜアメリカにばれたのか。そして戦犯裁判の結末は?

 戦後、日米を震撼させた悲劇の真相を克明に追ったノンフィクション。昭和54年の発売とともに大反響を呼んだ名著が、戦後60年目に甦る!