小説 葉隠
発売日
2004年09月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66275-6

小説 葉隠

著者 童門冬二著 《作家》
主な著作 上杉鷹山の経営学』、『男の論語』(PHP研究所)
税込価格 607円(本体価格552円)
内容 志なかばで失意のうちにある山本常朝、失脚して藩の要職を追われた田代陣基……。二人の対話から浮かび上がる人と武士の要諦とは何か。



 「武士道とは死ぬこととみつけたり」。この言葉を知らぬ日本人はいまい。しかし、この言葉の出所である『葉隠』が、どのようにして完成されたか、その事情を知る人となると、数はぐっと減るのではないだろうか。

 『葉隠』は、鍋島藩の二人の武士によって書かれたものである。正確に言えば、志なかばで失意のうちにある山本常朝に、失脚して藩の要職から去った田代陣基が質問をし、そのやり取りを筆記したものなのである。

 冒頭の一文のみがあまりに広く世に知れ渡っているが、『葉隠』は全十一巻に及ぶ大作。しかも、内容は武士がどう生きるかをまとめたものというより、本書の著者は「組織における人間関係の心得」「日常生活の心構え」などを記したものと言ったほうがよいという。

 したがって本書も読者対象をビジネスマンにおき、現代社会にも通じる、「不透明な時代を生きる叡智」の書として読んでほしいという。きっと新しい『葉隠』観を発見するだろう。