本多作左衛門(ほんださくざえもん)
発売日
2005年08月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66435-4

本多作左衛門(ほんださくざえもん)
「信念」を貫く男の生き方

著者 童門冬二著 《作家》
主な著作 上杉鷹山の経営学』、『細川幽斎の経営学』(PHP研究所)
税込価格 649円(本体価格590円)
内容 戦国時代の気風を失った武士が幅をきかせる時代、頑固者の作左衛門にはその気風が許せない。あえて「汚れ役」に徹した男の一生を描く。



 本多作左衛門は、日本一短い手紙として有名な「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」を書いた武将として知られている。彼が生きた時代は、戦国の世から泰平の世へと、価値観が激変した時代。時代が変れば、時代が求める価値観に沿うように生きるのが常識的な考え方だが、いつの世にもその器用さに欠ける人物はいるものである。本書の主人公、本多作左衛門が、まさにそれに当る人物だった。

 「一筆啓上云々」の手紙でもわかるように、簡にして要を得る言動こそ武将の生き方と信じて疑うことを知らなかった「気骨の男」。是を是とし、非を非とする作左衛門の生き方は、いつしか「頑固者」として周囲の者の目に映るようになっていった。「聞き分けのよさ」が幅をきかす時代に、「君(主人)、君たらざれば、臣(部下)、臣たらず」の精神を貫いたのである。

 その場の空気、周囲の目を気にしがちな現代人にっとて、自分の真実を考えさせられる一冊である。