利休にたずねよ
発売日
2008年10月24日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-70276-6

利休にたずねよ

著者 山本兼一著 《作家》
主な著作 『火天の城』『いっしん虎徹』『千両花嫁』(以上文藝春秋)
税込価格 1,980円(本体価格1,800円)
内容 己れの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休。茶聖ではなく、人間利休に心魅かれる著者が、その謎に包まれた生涯を解き明かす。
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 飛び抜けた美的センスを持ち、刀の抜き身のごとき鋭さを感じさせる若者が恋に落ちた。堺の魚屋の息子・千与四郎――。後に茶の湯を大成した男・千利休である。女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、気に入られ、天下一の茶頭に昇り詰めていく。利休は一茶人にとどまらず、秀吉の参謀としてその力を如何なく発揮。秀吉の天下取りを強力に後押しした。しかし、その鋭さゆえに、やがて対立。秀吉に嫌われ、切腹を命ぜられる。

 本書は、利休好みの水指を見て、そのふくよかさに驚き、侘び茶人という一般的解釈に疑問を感じた著者が、利休の研ぎ澄まされた感性、色艶のある世界を生み出した背景に何があったのかに迫った長編歴史小説である。

 著者の山本兼一氏は、直木賞候補になること2回。いま最も勢いのある時代小説作家。気骨ある男を描いて定評がある山本氏の新境地。ぜひご一読いただきたい。