大谷吉継
発売日
2017年06月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-76751-2

新装版
大谷吉継
信義を貫いた仁将

著者 野村敏雄著 《作家》
税込価格 924円(本体価格840円)
内容 関ヶ原合戦において大谷吉継を決断させたものは何か――。最後まで忠義と信義を貫いた、その生涯を描く感動長編が新装復刊!



 盟友・石田三成との信義を貫き、関ケ原の合戦で壮絶な最期を遂げた仁将・大谷吉継。その生涯を描いた感動の長編歴史小説が、新装復刊!

 秀吉に見出され、賤ヶ岳の合戦で戦功をあげた青年期。越前敦賀城主となり、豊臣政権の奉行として活躍する壮年期――。

 「関ヶ原」以前の吉継を克明に描く本書では、秀吉の死後、諸大名が裏切りと日和見に終始するなか、最後まで正義と至誠に殉じた吉継の人柄が浮かび上がってくる。

 七月七日、吉継は垂井へもどった。三成のことは諦めて、会津へ向かうつもりである。垂井には三日滞留した。その間も、吉継は何度か佐和山へ使いを走らせ、説得を続けたが、三成の心は固かった。最後の使いが虚しく戻ったとき、吉継は、(明日は発とう)と決め、将兵にも出発を伝えた。だが翌朝になると、気持ちも足も動かなくなった。昼になっても出発できない。(このまま、三成を見捨てていいのか)絶えず、そんな言葉が追いかけてくる。(本書より)