こころ相談室

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何をやってもうまくいかない
 私は某理工系大学院修士課程まではストレートに進み、その後民間企業に就職しました。仕事は面白かったし、待遇も良かったのですが、そこで自信をつけたことから更なるキャリアアップを目指して別の会社に転職しました。

 しかし、転職先での仕事内容に全く興味が持てず、自分が何を求めて転職したのかわからなくなり、1年で退職しました。そのときは本当に死にたいほど悩んで、しかし、死ぬぐらいならもう一度好きなことをやってみようと考え、別の理工系大学院修士課程の入試を受けて再入学しました。

 好きなことに没頭することで精神的にも回復し、学年が2年になって、再び就職活動を始めたのですが、どんなに自分の研究内容に自信があっても、働く意思があっても、書類審査で落とされてしまいます。原因は年齢的なもの、遠回りしたことから「周りとうまくコミュニケーションできないのでは」と思われることのようです。なんとか面接に進めれば、人間を見てもらえると思うのですが、書類で落とされるのではどうしようもありません。

 社会生活を営んでいるいるわけですから、身の回りの人間に不安や悩みをいつもいつも聞いてもらうわけにはいかず、また、明るい笑顔で振舞う必要もあります。

 人と接するときは色々なことを忘れることができるのですが、一人になったときはどうしようもなく不安です。自分の中に2人の人間が住んでいるかのようです。

 自分のことだから自分で解決する必要があることは承知していても、周りの人間はちゃんと就職して生活しているのに、自分だけこの年齢になって自分探ししていることが情けないです。

 何かアドバイスを頂けないでしょうか。

(29歳・男性・大学院生)

回 答
 あなたには、何でもうまく行くはずだ、行くに違いないという思いこみがありそうですね。一時期まではストレートで進んで、仕事も面白く、待遇も良かったということですから、そう思ってしまうのも無理はありませんが。しかし、そういう思いこみが強すぎると現実との落差が大きくなり、余計に落ち込むこととなります。あらかじめ、そうはうまく事は運ばないものだ、ダメかもしれない、うまく行かないかもしれないという想定や予測をもう少し持ったほうがいいでしょう。実はそれを持っていたほうがショックは少ないんです。

 それから、前の転職のときですがに、もし何人かに相談していたのなら、少なくとも誰か一人は「一年勤めたくらいでは、まだ止めておいたほういがいい」という意見を述べたでしょう。それがだいたいの現実的な見方だからです。

 あなたは「自分のことだから自分で解決する」ということを言っていて、それはほんとうに良い姿勢ですが、人に相談することはその人に解決してもらうことではありません。ですから、人の意見を参考にすることは大いに建設的なことだということを認識したほうがいいと思います。

 他人の考えや意見を聞かないことには、自分の居るところ、自分が何をしているのかがなかなか見えないものです。


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