歴史街道
発売日
2011年5月6日
税込価格
660円
(本体価格600円)
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歴史街道 2011年6月号

今月号の読みどころ

「なに、弾正が寝返っただと?」。元亀3年(1572)、織田信長は窮地に陥ります。信長包囲網により身動きできぬ中、武田信玄が上洛戦を開始。さらに追い討ちをかけて、松永弾正久秀が叛旗を翻したのです。額に青筋を浮かべた信長は、ふと口元を緩めます。「あ奴らしい。おそらく親父らもこうしたであろう」。信長は二つの顔を思い出していました。父・織田信秀と舅・斎藤道三です。信秀、道三、弾正…。いずれも戦国の世に「梟雄」と呼ばれた男です。旧来の秩序や価値観が揺らぐ中、下層から実力でのし上がり国を奪う者。天下布武を志す信長もまた、その一人でした。未曾有の国難に直面し転換期を迎えた現代日本に、梟雄が示すものを探ります。第二特集は「震災に立ち向かった日本人」です。

公式サイト
今月号の目次
段上の、武名が
黒鉄ヒロシ
3p
vol.53
この人に会いたい
大沢たかお
7p



【総力特集】梟雄か、先覚者か… 織田信長と松永弾正 時代に「突破口」を開く
〈総論〉
価値観が崩れ、実力が問われる変革期こそ「梟雄」の時代
山内昌之
14p
ビジュアル1
信長を瞠目させた近世城郭の魁、多聞山城

20p
ビジュアル2
二人を魅了した名物茶器の数々

22p
ビジュアル3
包囲網形成! 弾正、窮地の信長を見限る

24p
右筆から畿内制覇へ…三好家の忠臣か、下剋上三悪人の一人か
藤岡周三
26p
コラム1
下剋上の先駆者だった三好長慶

31p
鏡に映すが如く…尾張の信秀、美濃の蝮と同じ匂いのする主従
秋月達郎
32p
道三・信秀「下剋上」年表

37p
ビジュアル4
暗殺、謀殺、乗っ取り…三梟雄の恐るべき下剋上

38p
霜台、叛服常なし! 命がけで信長を救い、また平然と裏切る
工藤章興
40p
コラム2
宿敵順慶との戦いで見せた将才

45p
出自の謎、大和統治、高い教養…史料から読む弾正の素顔とは
坂本雅央
46p
コラム3
好色で吝嗇? 悪評から覗く素顔

51p
ビジュアル5
畿内を血で染める激闘の日々―弾正人生年表

52p
茶器と築城に新たな価値を…二人はなぜ先駆者たり得たのか
山本兼一
54p
コラム4
覇王とともに失われた名物茶器

59p
是非もなし…「噂の漢」と「戦国の覇王」、髪一筋も残さずに散る
永岡慶之助
60p
コラム5
フロイスが記録した信長と弾正

66p



葵祭、蘇民将来…
京都で語り継がれる「平安京」の伝説
高野 澄
68p
きまぐれ探検 昭和なスケッチ
第13回 成城学園界隈
本山賢司
74p



【特集】大地震、噴火、大津波… 震災に立ち向かった日本人
世のため、地域のために…「稲むらの火」が伝えるもの
童門冬二
78p
コラム
非常時こそ人々のために…ある銀行家の決意

83p
ビジュアル
繰り返す震災の中、日本人は歩み続けた

84p
「元通りの村に」自らの決断で希望をもたらした男たち
中江克己
86p
三陸大津波…明治の人々が見せた奮闘とリーダーシップ
松田十刻
90p



伝説の仮装巡洋艦エムデン
第2回 解き放たれた海の狼
吉田一彦
95p
[連載小説] 真田昌幸 連戦記 第16回
我、六道を懼れず 
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・CINEMA

112p
この著者に注目!
石黒敬章

114p
駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人
第3回 反米感情の高まり
太田尚樹
116p
豊臣軍相手についに落ちず! 忍城、戦国最後の奇跡
小和田哲男
124p
一つひとつが違う顔 水上バスで巡る「隅田川の橋」

129p
歴史街道クイズ 「戦国検定!」

132p
歴史街道・ロマンへの扉
福井
鶴田純也
134p
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒
第11回 熊本県 馬刺し
石田 千
136p
続・自転車紀行 シルクロードをゆく
第5回 マシュハドからバムへ
長澤法隆(写真・文)
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。