月刊「PHP」2020年2月号 裏表紙の言葉

〝好きになる力〟があればどんなに素敵だろう。
やるべきことは分かっていても、意に沿わなければつい後回しにしているのが、われわれである。
けれども、〝好きになる力〟があれば、常人が太刀打ちできない難しい仕事も、誰もが敬遠しがちな厳しい仕事も、きっと、みずから進んで取り組み、周囲から尊敬されるに違いない。
少々苦手な人に出会っても、邪心を抱かず、恨まれもせず、和を保ちながら、ともに仕事ができるに違いない。
なのに、好きになれないのはなぜだろう。浅薄な理解で、「相性が合わない」と安易に片づけ、そもそも物事を受け入れる姿勢に欠けているからではないだろうか。
もう少し、事の本質を見極める目を持ちたいものである。そうすれば、予想もしない面白味を見つけて、仕事に没頭できるようになれるし、苦手な人の長所に気づいて、仲良くできるようにもなる。
一念発起。〝好きになる力〟を養おう。その思いが強ければ、働く喜びも、望ましい成果もおのずからついてくる。