月刊「PHP」2021年7月号 裏表紙の言葉

仕事をする上で、よく聞く言葉に"リスク"がある。何をするにもリスクが想定され、一様に「さけよう。なくそう」という。ところがその思いが強すぎると、変化こそリスクと信じ込み、時代の変化に対応できない例も多いという。
そもそもリスクは本当にさけることが最善なのだろうか。リスクにも種類があり、確かに絶対にさけるべきものもある。しかし、未来のためには、挑戦しなければならないリスク、目指す目的達成のためには、覚悟を定めて受けて立つべきリスクもあるのではないだろうか。
世の中は生成発展するもの、おのずと新しい常識ややり方が次々に生まれてくる。それを素直に捉えて、みずから変化を求めることが必要であろう。それすら恐れていては真の発展は望めまい。リスクは忌み嫌うだけが処し方ではないはずである。
リスクはいつだってそばにある。リスクをさけんがための慎重さが逆に問題解決を逡巡させ、変えるべきことを変えられない事態が実はより深刻なリスクを生んでいる。その難しさを肝に銘じたい。