PHP研究所主催 2024年度文部科学省後援
第8回PHP作文甲子園 優秀賞受賞作

竹村光矢
愛媛県愛媛県立松山西中等教育学校5年(受賞当時)

大好きなおばあちゃんは、私が小さいころからいつも笑顔で迎えてくれた。夏休みには、おばあちゃんの住む、青い海と緑豊かな愛媛県の中島に遊びに行き、一緒に畑仕事をするのが楽しみだった。

ある日、畑で小玉スイカのように丸くて大きな玉ねぎを見つけた私は、持ち上げるのがやっとのその玉ねぎを、自慢げにおばあちゃんに見せた。「わぁ、こんな大きな玉ねぎ見たことないよ!」と、おばあちゃんは目を丸くして喜んでくれた。その日の夜は、庭でバーベキューをして、私が採ってきた玉ねぎを使った甘辛い醤油炒めを食べた。カリッとした玉ねぎの食感と、じゅわっと口の中に広がる甘みがたまらない。おばあちゃんは、「光矢が採った玉ねぎ、島の太陽の味がするね!」と、何度もおかわりしてくれた。

炭火の匂いを嗅ぎながら、おばあちゃんといろいろな話をした。いつもやさしく接してくれるおばあちゃん。私が失敗しても、「大丈夫だよ、次はもっとうまくできるさ」と、まるで太陽のような笑顔で励ましてくれる。おばあちゃんは、私にたくさんのことを教えてくれた。

土の匂いを嗅ぎながら、野菜の成長を見守ることの大切さ、愛情を込めて作った料理のおいしさを分かち合う喜び、そして何より、だれとでも分け隔てなく接することの大切さ。おばあちゃんの言葉一つひとつが、私の心に深く刻み込まれている。おばあちゃんとの思い出は、私にとって宝物だ。おばあちゃんの笑顔を見ていると、私も自然と笑顔になる。

おばあちゃんから教わったやさしさを胸に、私もだれかのために何かできるようになりたい。愛媛には、おばあちゃんのように温かい人がたくさんいる。島の夕焼け空の下、みんなで集まって食べる夕食は格別。そんな人々に囲まれて暮らせることが、私の宝物だ。これからも、愛媛でたくさんの人と出会い、そして、笑顔を分かち合っていきたい。

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