遠い島 ガダルカナル
発売日
2005年04月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66365-4

遠い島 ガダルカナル

著者 半藤一利著 《作家》
主な著作 レイテ沖海戦』、『ルンガ沖夜戦』(PHP研究所)
税込価格 796円(本体価格724円)
内容 米軍を侮り、誤断を繰り返す日本陸海軍のエリートたち。太平洋戦争の“転回点”となった日米の死闘を、当代一流の戦史家が描いた力作。



 「英霊二万ノ加護ニヨリ無事撤収ス」――1943年2月7日、救出された陸海の将兵を乗せ、最後のガダルカナル撤退作戦を奇蹟的に成功させた駆逐艦白雪、そのラバウルに宛てた電報である。

 最終的に一万六〇〇人余りが命を長らえたものの、ガダルカナル争奪戦での日本軍の損害は、戦死者八千人、戦病死者一万一千人に及ぶ。その多くがマラリアや栄養失調による餓死である。何故このような悲惨な戦いとなったのか?

 日本の陸海軍エリートたちは米軍を侮り、誤断を繰り返し、太平洋遥か六千キロを越えた余りにも遠い島嶼での戦闘に対して、現実をほとんど無視した命令を出し続けたのである。鎧袖一触で勝てるとの楽観を打ち砕かれ、死闘空しく日本軍がガダルカナルからの撤退を決めた時、太平洋戦争の戦局は米国側へと大きく転回していく……。

 当代一流の戦史家が、日米の死闘を克明に描いた戦記ドキュメント。「戦いの神・マルス」は、ついに日本を見放した!