左近(上)
発売日
2015年09月16日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-82698-1

左近(上)

著者 火坂雅志著 《作家》
主な著作 『天地人』(文春文庫)
税込価格 1,870円(本体価格1,700円)
内容 石田三成を支え、「鬼神の如し」と敵から怖れられた猛将・島左近。“いくさ人”として戦国の世を生き抜いた、その生涯を描く長編小説。



 人は竜にはなれない。だが、努力次第で、かぎりなく竜に近い漢(おとこ)になることはできる――

 “石田三成に過ぎたるもの”と称えられた戦国武将・島左近清興の知られざる生涯を描いた長編小説。

 大和国を治める筒井家にあって、その剛直ぶりと胆力を認められ、左近は若くして侍大将に取り立てられる。しかし、永禄2年(1559)、梟雄・松永弾正久秀が、柳生宗厳(のちの石舟斎)らを寝返らせて大和に攻め入ってきた。次々に城を落とされて筒井勢は窮地に陥り、あるじ順慶のいる筒井城も孤立してしまう。そんななかにあって、左近は松永勢を追い出すべく、ひとり気を吐くのだが……。

 NHK大河ドラマ『天地人』の原作者として知られる著者は2015年2月、病気のため58歳で急逝。そのため本作が絶筆となってしまった。

 文芸評論家・縄田一男氏も「未完ではあるが、読み応えは十分。これぞ作家・火坂雅志の真骨頂」と太鼓判を押す力作となっている。