恋愛相談室

恋愛相談室


※現在ご相談は受け付けておりません




私って、ストーカーなの
 井上香織先生。はじめてお便りします。

 私は……ストーカーじみたアプローチを繰り返したために、大好きな彼に嫌われてしまい、半年ほど前から着信拒否されてしまっています。

 私の彼に対する一連の行動を記述しますので、先生が彼の立場だったらどう思うか、私の行動のどのような点に問題があったか、アドバイス頂戴したく思います。

 彼とは就職活動時に偶然知り合いました。

 お互い地方に在住しており上京しているときでした。

 彼は内定をとりましたが、私は失敗してしまい、結局大学院に進学してリセットすることにしました。

 半年ほど経過して、どうしても彼のことが頭から離れなかったため、思い切って知人をつたって彼に連絡をいれ、就活の相談という名目のもと、彼の地元(大学)まで赴いてもいいかと依頼してみた所、彼は快諾してくれました。

 私の地元から、彼の地元までは新幹線にして4時間ほどかかる遠距離で、ちょっと引かれてるかもとは思いました。

 さまざまな名目を掲げて、その後4ヶ月の間に月一のペースで会いに行きました。

 彼は丁重に対応してくれましたが、あまり時間は割いてもらえませんでした。

 明確な拒絶こそされませんでしたが(断られた時は行きませんでしたので)、回を重ねるごとにうざがられてる雰囲気が伝わってきました。

「その日は忙しい、勘弁して」「ほかの人にも相談に乗ってもらった方がいいよ」等々突き放すような言い方はこのころから出てきていました。  思いを伝えてもお礼を言われる程度でした。

 昨年、4月から私は院生に、彼は社会人になり、お互い上京しました。

 私の研究の都合上(調査)彼の職場に赴く機会が何度かあり、メールにて会ってもらえないかと頼んでも「忙しい、時間取れない」「メール読む暇もない」などと強い口調で断られるようになりました。

 勝手だとは思いつつも、彼の配属先を調べて訪れていったこともありました。

 そのとき彼は、迷惑そうなそぶりは見せず、部屋に入れてくれた上、多少、私の話を聞いてくれました。また、携帯電話の番号など詳細な連絡先も教えてもらいました。

 休日に一時間ほど会ってもらえないかと頼んだらOKしてくれました。

 しかし、当日になりドタキャンの知らせが来て、困惑のあまり彼の携帯に何度も電話しましたが、留守電につながるだけでした。  後日メールが来て「この間はごめんね、忙しいからしばらくは会うの難しい。携帯に電話しまくるのはちょっと勘弁して。何か連絡があればメールで頼む」と言われました。

 その後メールで連絡を入れましたが返事はなし。

 彼が職場にいる時、昼休み中に電話をしたら、私の声を聞くや否や「ごめん、ごめん、今ちょっと手が離せないから……」と言われました。

 また後日、携帯に電話を入れたら着信拒否されていました。

 だいぶ時間がたってほとぼりが冷めると、やり過ぎた、相手の気持ちを顧みていなかったと反省できるようになりました。

 相手の意思を尊重しつつ距離を縮めるにはどうしたらいいのでしょうか。

 私が彼に残したものは付き纏われて迷惑したという悪い思い出だけでしょうか。私が彼に何か一つでも効用を与えることができたとすればそれは何だと思いますか。

(23歳・女性・学生)

回 答
 好きな人の声を聞きたい、逢いたいと想う気持ちは、理性でとめられるものではありません。

 心待ちにしていた約束をドタキャンされたり、時間とお金をかけて彼に逢いに行っても、そっけない態度をとられたり……そんなことが重なると、「どうして!?」という気持ちを彼にぶつけたくなってしまうのは、当然のこと。

 その問いかけに彼がすぐに応えてくれなかったり、無視されたりすると、ひとりぼっちの淋しさも手伝い、つい、何回となく電話をしたり、メールを送ったりしてしまうのは、女心として、仕方ないことかと思います。

 私にも経験があるので、あなたの気持ちはよくわかります。

 しかし……着信拒否までされてしまった彼に、これ以上、想いを寄せても、あなたが望む展開はないのではないかと思います。

 冷たい言い方に聞こえたら、ごめんなさい。

 あなたがこの「恋愛相談」に寄せてくださった文章は、理路整然としており、しっかりとした文章でした。

 今のあなたなら、きちんと現実を直視できると、私は思っています。

 あなたは……世にいう、ストーカーとは異なるかと私は思います。

 おそらく、就職活動等で、ストレスがたまり、誰かに頼りたかったのかもしれません。たまたま、それが、彼だった、ということではないでしょうか。

 まずは……辛いかと思いますが、彼との距離をとること。

 あなたが彼への想いをきちんと吹っ切ったとき……それは一ヵ月後なのかもしれないし、一年後かもしれません。

 いずれにしても、そのとき、一度、彼に連絡を入れてみたらいかがですか。

 明るい声での近況報告なら、彼は喜んで受け入れてくれる気がします。


BACK