恋愛相談室

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結婚を前提の就職に迷いを感じる日々
 初めまして。今年で修士を卒業する者です。

 私には大学1年から付き合っている同学年の彼氏が居り、3年半ほど半同棲をしていました。

 現在は彼氏が研究室の移動で遠距離になっていますが、毎日メールや電話をし、同棲していたときよりもお互いの大切さを感じるようになりました。

 就職と彼との結婚について、悩んでいます。

 今年の初めから就職活動を始め、数社から内定を頂きましたが、結婚をしてからもずっと続けられる仕事でないこと、もし彼と結婚する場合には辞めなくてはならないこと(基本的に東京での勤務だったため)を理由に内定を辞退しました。

 今では、新たに教師になる夢を持ち、来年から彼の勤務地の近くで非常勤として働ける可能性が出てきました。

 彼の会社ではほとんど転勤は無いそうです。

 また、彼からは「早くて2、3年、遅くても5年以内に結婚したいと思っている」と言ってもらいました。

 5年間ずっと付き合ってきて、彼も私を本当に大事にしてくれているので、結婚に対して不安はありません。

 ただ、「彼氏と結婚するために付いていく」という状況が、なぜか悪いことのように感じています。

 それというのも、私の母も高校教師をしており、「本当に教師になりたいのだったら、まずはそのことだけを考えるはずでしょ」「そんな甘い考え(彼の近くに居られるということが理由で)で教師になってもらいたくない」とまで言われてしまいました。

 母は私が卒業してから、まずは地元で教師になり、5年位してから結婚すると思っていたようです。

 おそらく、母は私に地元に帰ってきたもらいたい一心でそのように言ったのだと思います。

 母の意見を聞いて、確かにまだすぐに結婚するわけでないのに、まだ半人前の教師なのに彼に付いていくのはいけないことのようにも感じます。

 正直言うと、「結婚を第一に考える」ことに抵抗があります。

 昔から共働きの両親を見て育ったので、女性も一生働くものだ、それがかっこいいのだ、と思う自分がいます。

 でも本心では、「仕事よりも一番大事なのは、彼の近くに居ることだ」とも思っています。

 仕事をバリバリする女性が多い現在、結婚を第一に考えてもいいのでしょうか?

 支離滅裂な内容ですみません。アドバイスよろしくお願いします。

(25歳・女性・大学院生)

回 答
 あなたからのお便り、何度も読み直しました。卒業を半年後に控えた今、就職、そして結婚、お母様からの意見……様々な選択肢に揺れる想いが痛いほど伝わってきました。

 あなたは「仕事をバリバリする女性が多い現在、結婚を第一に考えてもいいのでしょうか?」と書いていましたが、それがあなたの悩み、迷いの根底にあるものなのかもしれませんね。

 あなたの言う通り、今は結婚後も仕事を続けることを見据えた上で会社を選び、着々とキャリアを積む優秀な女性が多いのは確かですが、結婚までのつなぎ的な考えで就職する女性も少なくありません。

 すべては個人の価値観の問題、己の人生において何に幸せを見出すかということではないかしらと私は思います。

 お母様のおっしゃることにも一理ありますが、教師といえど、ひとりの人間です。赴任する学校を個人的な都合で選ぶことに罪悪感を感じることはないのでしょうか。

 ちなみにかつて私は、大学卒業後、すぐに高校の専任教諭として教壇に立ちました。

 若輩者ながら担任も任され、40人近い生徒を預かったその重責と、はじめての授業、学級経営、生徒指導の難しさ、それに加えて四季折々の学校行事……覚えなければならない仕事は山のようにあり、たまの休日も何もする気力が起きないほど心身ともに慌しい毎日でした。問題ばかり起こす生徒たちに手を焼きましたが、結果……新米教師の私は彼らによって励まされ、教師としてだけではなく、人間としても成長させてもらったと思っています。

 しかし……非常勤講師は生徒と接するのは、たいてい授業のみ。学校により異なりますが、授業を越えた生徒指導は講師には任せないところがほとんどです。お昼休みや放課後、多少、生徒との時間を持つことは可能ですが、境遇はパートタイムのバイトと似たようなものです。

 お便りの文面から推察するに、あなたはとても生真面目な性格の女性かと思います。

 また、修士課程まで習得したという経歴もあります。

 私が少し心配なのは、非常勤講師として勤務する中で、今まで培ってきた自分の知識や能力を十分、活かしきれていないのではないかと焦燥感を感じることもあるかもしれないということ。

 そのとき、もし、内定をもらっていた会社に就職していたら……と後悔しない選択をしてほしいと思っています。

 一方、今までの遠距離恋愛の中で、以前よりもお互いの大切さを感じあえるようになったとはいえ、やはり愛する人と逢いたいとき逢えない淋しさや辛さ、また、自分の知らない彼の生活、遠距離につきものの浮気の心配……不安なこともたくさんあるかと思います。

 ただ……あなたの中で、何が一番大切なのか、もう答えは出ているように思います。

 その気持ちさえしっかりしているのなら、悔いの残らない選択ができるはずです。

 今、こんなふうにあなたがたくさん悩み、迷うこと……それは、決して無駄なことではありません。あなたが教壇に立ち、それぞれに様々な問題を抱える生徒たちと接したとき、必ず大きな力になってくれるはずです。

 また、彼と近くにいれば学校での出来事で何か壁にぶつかるような出来事があったとしても、電話やメールではなく、直接逢って相談することもできるのではないでしょうか。

 仕事はいくらでも軌道修正ができます。

 もし、私が危惧したように、あなたがより深く生徒とかかわりたいと思うのなら、専任教諭の希望を出せばいいし、教師には向いていないと判断したら、また新たな道を探せばいい。

 今のあなたにとって大切なこと……彼との愛をより深く育んでいってください。

 そして、他人に打ち明けられない悩みを抱えている生徒の心の痛みを察することのできる聡明でしなやかな心を持った教師になってください。  それは、お母様の願いを叶えることに繋がるのかもしれません。


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