歴史街道
発売日
2022年2月4日
税込価格
790円
(本体価格718円)
バックナンバー

歴史街道 2022年3月号

今月号の読みどころ

今月の特集1は、〈満洲国の光と影――日本人がめざしたもの〉です。
2022年は満洲国建国から90年です。
満洲国の建国に際して、多くの日本人が大きな理想を描きました。
五族協和の理想に燃え、その実現に邁進し、文化の向上に貢献した人々がいた一方で、五族協和の理念を十分に理解せず、日本人優位の風潮を作り出した人々もいました。
民族間に軋轢があったことも事実であり、グローバル化の在り方が問われている現代において、満洲国が問いかけてくるものは、より大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。
本特集では、満洲国建国において日本人がめざしていたものは何だったのか、その理想と現実に迫ることで、現代に通ずる教訓を探ります。

特集2は、〈源頼朝をめぐる女性たち〉です。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、大泉洋さんが演じて話題の源頼朝。
平治の乱で敗れ、捕えられた頼朝は、平清盛の継母・池禅尼の嘆願によって、命を救われました。
そして、配流先の伊豆で北条政子と出会い、政子の父・時政の助力を得て、平家打倒の兵を挙げます。
日本史上、これほど女性の助けを受けて出世した人物は、珍しいといえるのではないでしょうか。
頼朝の側にいた、彼のことを想い、彼の行く手を手助けし、時に彼を悩ませた女性たちを紹介します。

特別企画は、〈明治新政府の真実〉です。
徳川幕府崩壊後、新しい時代を担うことになった明治新政府。
薩長土肥がメインとなって近代国家をめざしたものの、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。
どんな組織だったのか。そして、主導権を握っていった人物とは――。
磯田道史先生に、明治新政府の真実をご解説いただいています。

公式サイト
今月号の目次
満洲の骨
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.179
市川海老蔵
7p
特集1 満洲国の光と影 ――日本人がめざしたもの
【総論】
世界史の視点で「満洲国」を読み解く
岡本隆司
14p
ドキュメント
半世紀もの間、そこで何が起こっていたのか
水島吉隆
22p
【満洲航空】
児玉源太郎の意志を継いだ男の挑戦と苦闘
前間孝則
29p
【満洲映画協会】
李香蘭との別れ…甘粕正彦が抱いていた想いとは
秋月達郎
35p
【下道部隊】
居留民を救え! ソ連軍侵攻の中での「奇跡の脱出劇」
喜多由浩
42p
「満鉄」はここがスゴイ――人びとの夢を乗せて
山本功次
48p
【特別インタビュー】
建国大学、石原莞爾、辻政信…漫画家が捉えたもの
安彦良和
52p
特集2 源頼朝をめぐる女性たち
北条政子――“燻る獅子”を目覚めさせた闇夜の決断
秋山香乃
104p
池禅尼、八重姫、亀前… 「鎌倉殿」を助け、魅了し、時に悩ませた人々
中丸 満
108p
特別企画
明治新政府の真実
磯田道史
71p
大型企画
丹羽長秀――信長・秀吉が重んじた男
柴 裕之
114p
連載 ほか
古代ローマの“最大の敵”名将ハンニバルとは
島崎 晋
56p
藤原氏のモデル!? 古代豪族・葛城氏の真実
古川順弘
62p
それでも「蝦夷地」をめざした最上徳内の生涯
西條奈加
66p
連載 万、已むを得ず
第八回
幸田真音
82p
歴史街道伝言板

90p
BOOKS・CINEMA

92p
この著者に注目!
佐々木功

94p
連作読切小説 戦国武将×四十七都道府県
第三十一回 織田信長×愛知県「阿呆に教えよ」
今村翔吾
96p
ふるさとの先人×SDGs~嚶鳴だより~
第十四回 日本の技術輸出第一号『養蚕秘録』と上垣守国

122p
年間購読のご案内

125p
次号予告!

126p
歴史街道脇本陣

127p
ニッポンの「巨石」をめぐる
第六回 釣石神社の釣石
写真・文 須田郡司
130p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。