おすすめの本 [PHPくらしラク～る 2012年9月号]

本当に大事なものが見えてくる

　家の中が雑然としていると何となく憂鬱になり、心まで疲れてきます。ただ、わかっていながらなかなか手をつけられないのが、片付けのやっかいなところです。
　モチベーション・コーチとして国際的に活躍する著者は本書の中で、片付けられない最大の原因は、「決断を避けているから」と指摘します。壊れたもの、似合わなくなったもの、思い出が詰まったものなど、私たちの生活は「過去の残骸」でいっぱい。それらを思い切って手放せば、すべてが大きく変わると説いています。
　捨てる基準はとてもシンプル。処分するのが自分にとって「気分がいい」か「悪い」かで判断します。大切なのは手放すものを「50個」探し出すこと。家の中を見渡せば、20個ぐらいはすぐに見つかりますが、50個となるとちょっと大変です。でも実はそこがポイント。50個見つけようとすると、迷いや執着のあるもの、そして自分自身の心の中にも目を向けるようになるため、部屋も心の中も一度に整理できるのです。
　全体に著者自身の体験や実例を多く交え、「変えることを恐れないで」と励ましながらうまく導いてくれるので、だんだんできそうな気がしてきます。皆さんもぜひ実行して、大切なものだけに囲まれた気持ちのいい毎日を手に入れてください。

自分らしく日々を楽しむ

　アンティークやオーガニックのショップを営む著者が、自身でデザインした自宅と日々の暮らしを素敵な写真と文章で綴ります。
　イタリアで目にした、つつましくも心豊かな暮らしがこの家の原点。自分らしくシンプルに暮らしたい人のお手本のような空間です。洋服カバーや靴用サシェなど、実用雑貨の作り方が載っているのも魅力です。

大切なのは仕組み作り

　部屋がすぐに散らかるのは、暮らしに合った片付けのシステムになっていないからかもしれません。
「家ロジ」は、ムダを出さない物流のシステム「ロジスティック」を応用した片付け法。元住宅情報誌編集長ならではの視点で、「置き場がない」「買いすぎ」「出しっぱなし」を防ぐ仕組み作りを教えてくれます。システムさえ整えば片付けは簡単です。

使い残しゼロを目指そう

　冷蔵庫を開けるといつも半端食材がゴロゴロ……。そんな悩みはこの一冊が解消してくれます。
　多めに作って保存するメインおかずや、野菜が丸ごと使えるレシピが紹介されていて、とても便利。「キャベツチーズステーキ」「もやしと桜えびのチヂミ」といった簡単で見栄えのするメニューで食卓を彩りながら、冷蔵庫をスッキリさせましょう。