リーダーズクラブ [PHPくらしラク～る 2011年5月号]

　昨年秋に39歳を迎えました。39歳は、3と9で「サンキュウ」の年。そんなことを考えていたら、今年は、「なんでもない日のありがとう」を大切にして過ごしていこうと目標をたてました。
　誕生日や記念日といった特別な日は、誰もがいい一日にしたいと考えます。でも、なんでもない普通の日も、人との緑を大切にして人が喜んでくれることを考え、それをさり気なく実行しようと。
　自分が人のためを思って動いた結果、相手が喜んでくれたらとても嬉しいし、私にとってはなんでもない一日でも、相手にとっては大切な日になるかもしれません。そんな「サンキュウ」がまわりまわって、私にも笑顔やツキを運んでくれるような気がします。

　風水では、「運は玄関からやってくる」といわれています。その玄関には季節感のあるものを飾っておくとよいと聞いてから、私は季節を感じる写真を一枚飾るようにしています。
　写真は買ったものではなく、自分で撮ったものです。つい先日も花の写真を撮りました。旬の美味しい食べ物を撮ることもあります。
　今までは、日常よく目にする草花や食べ物など、特に気にすることもなかったのですが、写真を撮るようになってから、意識がガラリと変わりました。季節の移ろいを楽しめるようになったように思います。
　ひとつ楽しみが増えるということは、暮らしがいい方向に変わるということ。これもちょっとした開運法ではないでしょうか？

　毎日を幸せに暮らすために、私はよく「まあ、いいか」とつぶやくようにしています。
　たとえば、運悪く卵の特売が終わっていたり、見たかったテレビドラマを録画し忘れていたときなどです。こんなとき思わず「なんで？」と言いたくなるのですが、「まあ、いいか」。
　すると、イライラしていた気持ちが少し落ち着き、「明日はもっと美味しい卵が手に入るかもしれない」、「再放送までのお楽しみにとっておこう」など、気持ちを前向きに切り替えることができます。私にとって、「まあ、いいか」は魔法の合言葉です。

　私は以前、コンビニでアルバイトをしていました。仕事の中に商品を陳列する作業があったのですが、その際、賞味期限が短いものを前に、先のものを後ろに並べていました。そのため、アルバイトを辞めた今でも、スーパーに買い物に行くと、つい癖で後ろの商品を取り出し、カゴに入れてしまいます。
　ある日のこと。お義母さんが3歳の娘におもちゃをプレゼントしてくださるとのことで、おもちゃ売り場に3人で向かいました。お目当てのおもちゃが決まり、お義母さんがおもちゃを手にしたときのことです。
　「おもちゃ、後ろからとらんといけんのよ～」
　と娘がひと言。子どもは親の日々の行動をよく見ているんですね……。そのときの姑の顔は、まさに鳩がまめ鉄砲をくらったようでした。

　肝臓の病気で入院した父の病院へ通うため、私はひとり家族と離れ、父の家で住んでいます。しかし父の家は、見事に山の中。はっきり言って冬はとても寒い！　エアコンなどなく、あるのはストーブにホットカーペット、そして火鉢のみ。
　そんな過酷な状況で、私が頼りにしていたのはストーブです。しかし、ある日灯油が切れてしまいました。私はすぐさま傍にあったポリ容器に入っていた液体を給油。コレで安心と思ったのもつかの間、一向に点火しないではありませんか。
　しばらくした後、心配で様子を見にきてくださった父の友人にストーブを見てもらうと、私が灯油だと思って入れていた液体は、なんとただの水と判明。父が山から汲んだものでした。
　その方は、親切に替わりのストーブを持ってきて、ダメになったストーブの処分までしてくださいました。父の性格をよく知る彼は、私がロを開く前に、「よかですよ、お父さんにはいろいろ言わず、黙っとかさんですが」と。
　あまりの寒さで私を哀れに思われたのでしょうか。自分の姿を想像したら、ちょっと笑ってしまいました。

　わが家はみんな大のパン好きです。先日、主人がボーナスでホームベーカリーを買ってきてくれました。
　早速、レシピを見ながら、家族みんなで食パン作りに挑戦！　すると思っていた以上に上手に焼き上がり、大興奮しました。
　家族みんなで作って、食べるパンは、買ってきたものよりも一段も二段も美味しく感じます。これからも家族みんなでパンを作りたいと思います。

　先日、5歳になる息子が、広告をたくさん切り抜き、
　「これ、かあちゃんの大事なものばかりだよ」
　と私にプレゼントしてくれました。見ると、「ハンバーガー100円割引」「ドーナツ全品100円」「クリーニング20%OFF」など、普段私が切り抜いて、かばんに入れて持ち歩いているおトククーポンばかりでした。
　よく見ると中には、キャラクターの切り抜きや自分がほしいおもちゃの切り抜きもあって、私は思わず笑ってしまいました。でも、すぐに心がポカポカしました。
　5歳の子どもなりの、私への応援なのでしょうか。なんだか「かあちゃん、がんばれ」と応援されているようで、切り扱いたクーポンがどれも愛しく思えました。
　ありがとう。あなたの応援に恥じないよう精一杯生きるからね、と、とても嬉しい気持ちになりました。

　私は家事をするときに意識していることがあります。それは「ちょこっと、一つがんばる」です。
　たとえば、トイレに入ったら、ながら掃除で、便器や壁などをかるくひと拭きします。それ以外にも、古着を処分するときは、そのまま捨てるのではなく、あらかじめ用意しておいた円形の型紙にそって古着を切り取ってから残りを捨てます。
　円形のハギレは、時間ができたときにヨーヨーキルトを作って楽しむためのもの。Tシャツに可愛い作品ができてしまいます。
　こんなふうにいつもの行動や習慣に一つプラスアルファするだけで、面倒な家事がラクになったり、楽しいものに変えることもできます。