おすすめの本 [PHPくらしラク～る 2011年3月号]

言いたいことをきちんと伝えてスッキリ

　自分さえ我慢すれば上手くいく、そう思って言いたいことを抑えてしまっていませんか？　小さな我慢も、重なるとだんだんつらくなってきます。そもそも本当の気持ちを伝えていないわけですから、相手との関係も一見良好であっても深いものに発展していきません。そんな状況や自分にもイライラ。何かのきっかけでたまった感情が爆発すれば、日頃の我慢も水の泡になってしまいます。
　本書では臨床心理士の著者が、自身の体験と心理学の研究から導き出した伝え方のコツを紹介しています。基本となるのは「アサーション」という自分と相手の両方を尊重した表現方法。気持ちを伝えないことによるマイナス面を知り、相手を否定しない言い方がわかれば、自分を抑えがちな人でも“言えそうだ、言ってみたい”と思えるようになってきます。
　「親しい人からの頼みを断る」、「夫に家事を手伝ってほしいと伝える」など、会話の実例も多数掲載。読んだ後はすぐに実践したくなると同時に、今までの言い方がいかにまずかったのかにも気づかされるはずです。
　本音を言える心地よい人間関係は、待っていても築けません。ちょっとだけ勇気を出して伝えることで、自分も相手も気ラクにつきあえるようになるのです。素直に自分を出せて心から笑顔になるための方法が、この本には詰まっています。

読むだけでリラックスできる

　ページをめくるたびに、森の写真に癒されます。それは、かつて心も体も疲れ切ったファッションジャーナリストでありエッセイストでもある著者が、友人に誘われて入った森で見た風景。自然のエネルギーに圧倒されて、「素」の自分に戻れたと言います。
　豊富な写真が美しく、読んでいると森にいるような気分になれるエッセイです。

気持ちを伝えるアイデア満載

　日常のおすそ分けからお祝いやご挨拶など、人とのおつきあいをスムーズにしてくれる贈りもの。
　イラストレーターの著者が、身近にある紙や紐を使って素敵に包むアイデアや、贈り方のコツを楽しいイラストで教えてくれます。実際に贈った品々の紹介もあり、贈りものに悩んだときに役立つ一冊です。

朝食や休日のブランチにどうぞ

　疲れたときは、美味しいものを食べると元気が出ます。発酵させる時間と手間がかからないパンとケーキの作り方を知っていれば、くつろぎたい日の食卓がさらに充実しそうです。
　プレーンな味をベースに、アレンジも多数載っているのが嬉しいところ。気取らないおもてなしにもぴったりです。