［図解］ワールドカップで世界がわかる！
各国の政治経済から民族、宗教、紛争まで

　いま世界のサッカー界では人種差別が大きな問題になっている。その背景には、グローバル化の進展で移民が増え、それに対して各国で極右勢力が台頭してきているという事情がある。また、旧ソ連や東欧のクラブで、「ディナモ」と名のつくチームが多いのに気づかないだろうか？　これは、秘密警察をバックに持つ政府系クラブの名残。かつてソ連が周辺国に社会主義体制を打ち立てていく中で、新たに共産化した国に必ずディナモを冠したクラブをつくったのである。

　このように、世界のサッカー界は国際情勢と歴史の縮図といってよい。本書はここに着目し、世界のクラブチームや国代表チームの背後にある政治・経済・民族・宗教・紛争・社会問題をわかりやすく解説した。世界のリーグ戦やワールドカップをまた違った視点から一段と楽しめるようになるほか、サッカーをネタに国際情勢のウンチクを語れるようになるニュータイプの教養書でもある。