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日本近代史12の謎を解く

日本近代史12の謎を解く
伝承と美談の狭間で

秦 郁彦著 《近代史研究家》

「君死にたまふことなかれ」に詠まれた弟はどうなったのか? 終戦直後の「三船遭難事件」はなぜ起きたのか? 戦史家が秘話を追う。

税込価格
2,640円(本体価格2,400円)
発売日
2024年03月18日
判型
四六判並製
ISBN
978-4-569-85672-8
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Content

内容



 歌人の大町桂月(おおまちけいげつ)から「鬼才」と評された女流歌人・与謝野晶子は、弟が日露戦争に出征することを嘆いて「あゝをとうとよ君を泣く 君死にたまふことなかれ」という有名な一節で始まる歌を詠んだ。反響は小さくなかった。前出の大町は「乱臣なり、賊子なり、国家の刑罰を加ふべき罪なり」と激しく論難。これに対し晶子は「この御評、一も二もなく服しかね候」「歌は歌に候」「誠の心を歌にしただけ」「少女と申す者、誰しも戦嫌いにて候」と反撃し一歩も引かなかった。覚悟をもって晶子が発表したこの歌は、今では小中学校の教科書にも登場する、日本の反戦歌の代表的作品になっている。

 では、この歌を贈られた晶子の弟・籌三郎(ちゅうざぶろう)は、結局日露戦争で死ななかったのだろうか?

 そしてこの歌に関連して、さらに興味深い謎がある。太平洋戦争の際には、晶子は四男に対して「水軍の大尉となりてわが四郎 み軍(いくさ)にゆくたけく戦へ」と詠んでいるのだ。晶子は「転向」したのか? 出色の女流歌人の真意とは?

 本書ではこのほか、「昭和天皇を襲ったテロリスト像─―難波大助と金子文子の挑戦」「南雲機動部隊 対 エンタープライズ―─索敵のミステリー」「ガダルカナル戦の起点と終点」「知られざるインド謀略工作の内幕」「日本共産党太平記―─山村工作隊と火炎びんの季節」「1945年ロシアによる三船遭難事件」などの近代史の謎に迫る。ゆったりとした時間に存分に楽しみたい、極上の歴史読み物である。

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